2025年10月05

「寝る前についスマホを見てしまう」「ベッドの中でSNSや動画が日課」――そんな人は少なくないでしょう。実際、寝る直前までスマートフォンを使用する人は現代では一般的です。しかしこの習慣、実は目に大きな負担をかけ、視力低下を早める原因になりかねないと指摘されています。一時的な疲れ目だけでなく、長期的な視機能の低下や生活リズムの乱れにも関係するため、軽く考えるのは禁物です。寝る前のスマホ使用が視力に与える影響と、見落としがちなNG習慣の数々、さらに今日からできる対策について解説します。
“寝る前スマホ”が目に与える3つの大きな悪影響
スマートフォンの画面は、目にとって非常に刺激の強い光を放っています。特に夜間は暗い環境の中で強い光を見るため、目の調節機能に負担がかかりやすいとされています。
① ブルーライトが網膜に負担をかける
スマホの画面から発せられるブルーライト(青色光)は、エネルギーが強く網膜に達しやすい特性があります。このブルーライトを長時間浴びると、網膜細胞への酸化ストレスが増え、加齢黄斑変性などの疾患リスクを高める可能性があると指摘されています。
② ピント調節筋が緊張し続ける
近距離での画面凝視が続くと、ピント調節を担う毛様体筋が長時間緊張状態となります。これにより一時的な視力低下(仮性近視)が起きやすくなり、慢性的な眼精疲労の原因にもなります。
③ 睡眠の質が下がる
ブルーライトには脳を覚醒させる作用があり、睡眠ホルモン「メラトニン」の分泌を抑制します。その結果、寝つきが悪くなるだけでなく、眠りの質も低下し、翌日の目の回復力が落ちてしまいます。
このように、寝る前スマホは“目”だけでなく“体全体のリズム”にも影響を及ぼすリスクがあるので、なるべく避けてください。
実は他にも?視力低下を招くNG習慣
寝る前スマホ以外にも、知らず知らずのうちに視力を悪化させる生活習慣は多く存在します。以下に代表的なものを紹介します。
■ 長時間の近距離作業(スマホ・PC・読書)
長時間、近くのものを見続けることで毛様体筋が緊張し、遠くを見る力(遠見調節力)が低下します。特に子どもや若年層では、これが本格的な近視の進行に直結します。
■ 照明が暗すぎる環境での作業
暗い部屋でのスマホや読書は、瞳孔が開きすぎて網膜に光が強く入りやすく、目が疲れやすくなります。また、明暗の差が激しいとピント合わせが頻繁に求められ、眼精疲労が進行します。
■ 目を酷使したあとに休憩を取らない
長時間の作業後に目を休めないまま活動を続けると、目の回復が間に合わず、疲労が慢性化します。結果として視力低下やドライアイの原因になることも。
■ 瞬きの回数が減る
集中してスマホやパソコンを見ると、まばたきの回数が通常の半分以下になることがあります。これが原因で角膜が乾燥しやすくなり、視界のぼやけや不快感が生じやすくなります。
これらの習慣が積み重なることで、一時的な疲れ目では済まず、視力そのものの低下につながるケースもあります。
“寝る前スマホ”は目からのSOSを見逃さないことが大切
現代人にとって、スマホやデジタルデバイスの使用は欠かせないものになっています。
だからこそ、「見る時間」だけでなく「見るタイミング」や「見る環境」にも気を配る必要があります。
特に寝る前のスマホは、視力にとって絶対に避けてほしい習慣の一つです。
快眠のためにも、目の健康を守るためにも、以下のような習慣を取り入れてみましょう。
- 就寝1時間前にはスマホやタブレットの使用をやめる
- スマホを使うときは、画面の明るさを落とし、ブルーライトカット機能を活用する
- 日中は意識的に遠くを見る時間を取り、目の筋肉をリラックスさせる
- 定期的に目を休ませる「20-20-20ルール」(20分ごとに約600センチ(20フィート)先を20秒見る)を意識する
目は一生使う大切な器官です。今日からでも遅くありません。
寝る前スマホを控えるだけで、目も睡眠も驚くほど快適になります。