2025年12月06

目薬を差してパチパチと瞬きをするのは間違った方法ですか?
目薬を差した後につい「パチパチ」とまばたきしてしまう方、多いのではないでしょうか。
実は、これはおすすめできない方法です。
その理由は、目薬が涙と一緒に流れ出てしまうためです。
目薬を入れると一時的に目の中の液体量が増えるため、まばたきを繰り返すと涙とともに薬液が排出され、せっかくの成分が十分に角膜や結膜にとどまりません。
さらに、勢いよくまばたきすると、薬が涙の通り道(鼻涙管)を通って鼻の奥へ流れてしまうこともあります。
この流れは鼻から喉へつながっているため、苦味を感じたり、内服薬のように体内に吸収されて副作用が出ることもあります。
正しい目薬の差し方とは?
① 目薬を差したら「1分ほど目を閉じる」
目薬を入れた後は、パチパチせずに軽く目を閉じて1分ほどキープしましょう。
この間に薬が角膜の表面にしっかり浸透していきます。目を閉じている間、目頭(鼻に近い部分)を軽く押さえると、薬が鼻へ流れにくくなり、より効果的です。
② 「うまく入らない」ときのコツ
- 顔を上に向けすぎない
寝転ぶか、やや上を向く程度でOK。真上を見すぎると、かえって目薬がこぼれやすくなります。 - 下まぶたを軽く引いて“ポケット”を作る
白目の部分にポタッと1滴たらすイメージ。黒目に直接当たるとびっくりして反射的に閉じてしまうので、白目側に入れるのがコツです。 - 1回に1滴で十分
目の中に入る量は1滴分(約50μL)で限界。2滴以上入れてもあふれてしまうので、1滴で効果は変わりません。 - コンタクトレンズを外してから(※レンズ対応の薬を除く)
コンタクト越しだと薬が届かない場合があります。指示がある場合を除き、基本は外して点眼をしましょう。
③ 目薬の種類で注意が必要な場合も
- 防腐剤入りの目薬は頻繁に使うと刺激になることがあります。防腐剤なしのタイプを選ぶのも一つの方法です。
- ステロイドや抗菌薬の目薬は、自己判断で中断や併用をしないようにしましょう。医師の指示通りに使うことが大切です。
子どもに目薬をさしてあげるときのコツ
小さなお子さんは、目薬を怖がったり、まぶたをぎゅっと閉じてしまうことが多いです。そんなときにおすすめの方法を、眼科でも実際に指導しているやり方でご紹介します。
① 横になってリラックスさせる
寝転んだ姿勢の方が安定しやすく、親も手元を見やすいです。
「目をぎゅっと閉じていいよ」と声をかけ、閉じたまぶたの上から目頭のあたりに1滴たらす方法もあります。
その後、子どもが自然に目を開けたときに薬が中に入り込むので、無理に開けさせる必要はありません。
② 目薬の容器を見せない
容器が目に近づくと怖がるお子さんも多いので、正面からではなく横や上から自然に近づけるとよいでしょう。
また、目薬を差す前に「お薬を入れると、目がスッキリするよ」といった声かけをして安心させるのも大切です。
③下まぶたを軽く引いて“ポケット”を作る
目が開けれる場合は白目の部分にポタッと1滴たらすイメージで大丈夫です。黒目に直接当たるとびっくりして反射的に閉じてしまうので、白目側に入れるのがコツです。
④ 清潔に使うことも忘れずに
点眼の際、容器の先がまつげや皮膚に触れないように注意しましょう。
使用後はしっかりキャップを閉め、冷暗所に保管します。特に小児用の抗菌薬やアレルギー用点眼は、開封後1か月を目安に新しいものに交換してください。
まとめ
- 目薬を差した後にパチパチまばたきするのはNG。
涙と一緒に流れて効果が半減します。 - 差した後は1分ほど目を閉じ、目頭を押さえるのが正解。
- 1回1滴で十分。黒目を避けて白目側にたらすと失敗しにくい。
- 子どもには「閉じたまま差す」など、怖くない工夫を。
目薬は“差すタイミングとやり方”で効果が大きく変わります。ちょっとした工夫で、治療効果も快適さもぐんとアップします。特にお子さんの場合、無理に目を開けさせず、楽しく続けられる方法を試してみてください。