2025年10月25

日焼け止めを塗ったり、日傘をさしたりとさまざまな対策をしていると思いますが、実は紫外線は皮膚の日焼けだけでなく、目にも影響を与えているのです。
今回は眼科医の視点から、紫外線が目に及ぼす影響や病気について、分かりやすく解説していきます。
紫外線が目に与える影響
紫外線が肌にさまざまな影響があることは広く知られていますが、実は目にも多大な影響を与えることを知っていますか?
目の紫外線対策が十分でないと、結膜や角膜にダメージを与える可能性があります。一般的には「目の日焼け」と呼ばれるものです。
よく知られているのが「紫外線角膜炎」と呼ばれる状態で、「雪目(ゆきめ)」とも呼ばれています。これは海水浴場や、スキー場などで、紫外線対策をせず、長時間強い紫外線を浴びた後に、目が赤くなったり、強い痛みを感じたりする症状のこと。放置しておくと視力に影響を及ぼすこともあります。
また、日常生活でも長期間にわたって紫外線を浴び続けることで、白内障や翼状片(よくじょうへん)、加齢黄斑変性(かれいおうはんへんせい)といった病気のリスクが高まることも報告されています。白内障は、本来は透明である水晶体が濁る病気で、徐々に視力が低下していきます。進行すると失明に至ることもあるため、注意が必要です。
一方、加齢黄斑変性は網膜の中心部にある黄斑に異常を来すことで視野の中心部が見えにくくなる病気です。どちらも加齢とともに発症リスクが高まりますが、紫外線もその一因となるのです。
目を日焼けから守る予防法と対策
それでは、目を紫外線から守るために私たちはどのような対策をすればよいのでしょうか?
まず、サングラスの着用は最も手軽で効果的な方法です。サングラスを選ぶ際には、UVカット機能がしっかり備わっているものを選ぶことが重要です。紫外線を99%カットする製品も多く、デザインと機能性の両方を兼ね備えたものも多く販売されています。
他にも帽子や日傘を活用することも防御の1つとなります。特に広めのつばがついた帽子は、顔全体を覆うことができ、より多くの紫外線から目を守ることができます。
しかし、アスファルトなどは照り返しも懸念されるため、帽子や日傘を使用しているからと安心せずに、サングラスの着用もしっかりとおこないましょう。
目の紫外線対策の習慣化を
紫外線は曇りや雨の日でも降り注いでいるため、晴れている日以外でもしっかり対策することがポイントです。
紫外線が目に及ぼす影響は意外と見過ごされがちですが、普段のちょっとしたケアが将来の目の健康に直結するかも知れません。これからの季節を楽しみつつ、目を守る習慣も身につけましょう。