2026年7月25

夏は、プール、海水浴、温泉旅行など、水に触れるレジャーやイベントが増える季節です。開放的な気分になる一方で、この時期に急増するのが「目のトラブル」です。
特にコンタクトレンズ(以下CL)をご使用中の方から、「プールや海に入るときは、そのままでも大丈夫ですか?」「温泉やサウナではどうですか?」というご質問をよくいただきます。
結論からお伝えすると、CLをしたままプール、海水浴、温泉に入るのは原則として「NG(避けるべき)」です。
今回は、なぜ水中でCLをつけてはいけないのかその理由と、夏場に特に注意したい目の病気、そして快適に夏を過ごすための対策法をわかりやすく解説します。
なぜ?プールや海、温泉でコンタクトレンズがNGな理由
「しっかり装着していれば外れないから大丈夫」「ゴーグルをつければ平気」と思っていませんか? 実は、レンズをつけて水に入る行為には、以下のような重大なリスクが潜んでいます。
① 雑菌や微生物による深刻な感染症のリスク
プール、海水浴場、そして温泉の水は、どれだけきれいに見えても決して無菌ではありません。 特に怖いのが、水中に潜む「アカントアメーバ」などの微生物や各種の細菌です。
CLと角膜(黒目)のすき間に汚染された水が入り込むと、レンズが雑菌を吸着・密着させてしまいます。その結果、角膜に傷がつき、そこから雑菌が入り込んで「アカントアメーバ角膜炎」や「感染性角膜潰瘍」といった、最悪の場合視力低下を招く重篤な眼感染症を引き起こすリスクが高まります。アカントアメーバは非常に治りにくく、激しい痛みを伴う厄介な病気です。
② 水道水に含まれるカルキや雑菌、海水によるトラブル
プールの水には消毒用の塩素(カルキ)が含まれており、これがCLを変形させたり、デリケートな目の粘膜を傷つけたりします。また、ソフトレンズは水分を吸収しやすい性質があるため、プールの水を吸うとレンズが膨張して目に張り付いてしまい、外れなくなったり角膜を傷つけたりします。 海水の塩分や砂、温泉の成分や雑菌も、目に強い刺激を与えたりレンズを傷つけたりする原因になります。
③ 水圧によるレンズの張り付きや紛失
水中で目を開けたり、波を被ったりすると、水圧によってCLが目に強く押し付けられ、角膜に張り付いてしまいます。無理に外そうとすると目を傷つける原因になります。また、水中でレンズが流されて紛失してしまうトラブルも少なくありません。
夏に多いその他の目のトラブル
夏場は、水レジャー以外にも以下のような理由で目がダメージを受けやすい季節です。
- 紫外線によるダメージ: 夏の強い紫外線は、皮膚だけでなく目にも大きな負担をかけます。「電気性眼炎(雪目のような状態)」を引き起こし、目の痛みや充血、涙の原因になります。また、長年の紫外線蓄積は白内障や翼状片などのリスクを高めます。
- エアコンによるドライアイ: 室内で冷房が効いていると、空気が非常に乾燥します。CL使用者やまばたきの回数が減る方は、涙が蒸発して目がカラカラになり、表面に微細な傷がつきやすくなります。
- 汗や日焼け止めによる刺激: 汗やウォータープルーフの日焼け止め、虫よけスプレーなどが目に入ると、強いアレルギー反応や結膜炎を引き起こす原因になります。
安心して夏を楽しむための対策法
「せっかくのレジャーだから思いきり楽しみたい!」という方のために、目がトラブルに見舞われないための具体的な対策をご紹介します。
① 度付きゴーグルを活用する
プールや海水浴でどうしても視力矯正が必要な場合は、「度付きのスイミングゴーグル」を使用するのが最も安全で確実な方法です。 CLを外した状態で度付きゴーグルをかければ、クリアな視界を確保しながら、水や雑菌の侵入から目をしっかり守ることができます。
② 使い捨て(1デイ)レンズ+予備・メガネの持参
どうしても旅行先などで一時的にCLが必要な場合は、必ず1日使い捨てタイプ(1デイ)を使用し、水に入る直前に外してください。 また、水から上がった後にすぐ装着できるよう、あるいはそのままメガネで過ごせるよう、必ず予備のレンズやメガネ、保存液を多めに持参しましょう。万が一、目に違和感を覚えたときは、その日のCLの装着を中止し、すぐにメガネに切り替えることが大切です。
③ 温泉やサウナでは「外す」を徹底
温泉やスパ、サウナでもCLは注意です。温泉の成分や熱によってレンズが変形したり、湯船の湯に入り込んだ雑菌がレンズと目の間に繁殖したりします。温泉に入る際も、必ず脱衣所でCLを外し、ケースに保管するか使い捨ての場合は廃棄しましょう。
④ 紫外線対策にはサングラスやUVカット眼鏡
屋外でのレジャーやスポーツの際は、UVカット機能付きのサングラスや眼鏡を着用しましょう。最近はCL自体にUVカット効果があるものも増えていますが、レンズが覆っていない白目や目の周りの皮膚は紫外線無防備になってしまうため、ツバの広い帽子やサングラスの併用が効果的です。
⑤ こまめな保湿とアイケア
冷房による乾燥や、汗・ホコリによる汚れ対策として、防腐剤の入っていない人工涙液(目薬)をこまめにさして目を潤わせましょう。帰宅後には、冷たいタオルなどで目を軽くクールダウンするのも、疲労回復に効果的です。
違和感があれば、早めに眼科を受診しましょう
「少しゴロゴロするだけだから」「時間が経てば治るだろう」と自己判断して市販の適当な目薬で済ませてしまうと、症状を悪化させる原因になります。
- 目が赤い、充血が引かない
- ゴロゴロする、異物感や痛みがある
- 目ヤニが増えた、涙が止まらない
- まぶしく感じる、かすんで見える
こうした症状がみられた場合は、角膜に傷がついている可能性や、感染症を起こしている可能性があります。悪化すると視力に影響が出ることもあるため、症状が軽いうちに、できるだけ早く眼科を受診してください。
今年の夏も、正しい目のケアをして安全に、そして快適に楽しく過ごしましょう!
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